忍冬酒のうんちく

 徳川家康が生涯現役で75才という、当時としては異例の長寿を保った家康公。その健康はどこにあったのでしょう?健康法には、まだ明らかにされていない秘密がたくさんあると言われておりますがその秘密のひとつに「忍冬酒」がありそうです。

 忍冬酒の忍冬は「スイカズラ」のことです。この花弁や茎、葉から造る酒は体を暖め滋養強壮に効果があると言われております。家康は数々の戦を戦い当地三方原の戦いではピンチピンチの連続であったと言われております。そんな中で忍冬酒を口にして家康が「ファイト一発」ピンチを脱出したことは史実が物語っております。まさに戦国のOOビタンDと言ったところでしょう。 

また、5月から6月に花を付けるスイカズラ自体、漢方薬で関節の痛みに効くといわれております。この事から言っても飲んで見る価値がありそうです。

 浜松で忍冬酒が製造されたのは戦国時代の永禄元年からとされています。家康が三河から浜松に本拠地を移した頃、浜松で薬草の研究をし、忍冬酒を造っていた神谷権兵衛が家康の命を承けて本格的に製造を始めたと言うことです。家康はこの酒がことの他気に入り、その後家康が神谷家を優遇し、太刀や家屋敷を与え保護しました。家康愛用の薬酒との評判をとった忍冬酒は浜松の名物の一つになりました。

 徳川家康の覇権が確立されて各藩から進物用などに使われ注文が殺到し神谷家は地元の童歌にも歌われるほど繁盛しました。明治以降も製造されましたが、第二次世界大戦の戦乱の中、昭和18年製造中止となってしまいました。しかしながら我が遠州夢倶楽部(その後浜松忍冬酒の会が引き継ぐ)により復活をしたのですが、今後は浜松地域の特産品として売れて行けば嬉しい限りです。

 出世大名「家康くん」ともども応援して頂きたいと思います。出世大名家康君につきましては2015年の再チャレンジに向けて着々と準備をしております。リベンジが叶い美酒を頂くときは是非とも浜松忍冬酒を召し上がっていただきたいものです。